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一人でヒーリングサロンを広島に開店しました。開店までの奮闘記、波乱万丈の人生日記♪
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やっと普段の生活に戻って一ヵ月が経とうとしていた。

テレビでは特集番組があちこちの放送局で放送されるようになっていた。


休みの日の夜、何の気なしにテレビをつけると、火災のシーンだった。


何処で起こった火災なのかはわからないけど、私たちも他人事ではなかったと、

その映像をぼんやりと見ながら思った。


別に忘れたわけではなかったけど、私の中でそんなにショックだったのかと自覚した。

その映像を見た夜、私は火災の夢を見たのだ。

店長にその話をすると、火災のシーンを見て、

火事に遭った時の怖かったことを思い出したんじゃないのか、と言われた。

トラウマになったりするのだろうか。

でも、生きていればトラウマの一つや二つ誰にでもあるだろう。


だけど、ほんの小さなことが長い間、人を苦しめてしまうことだってある。

特に小さい頃に受けた傷は、影響が大きいことだろう。

私は地震にも火事にも遭って悲しい思いもしたけれど、まだ幸せな方なんじゃないかと思う。

震災で死にそうになったわけでも、火事で大火傷を負った訳でもなかった。

自分たちの中で苦労と思っているだけで、もっと不幸な人なんてたくさんいる。

私たちは恵まれている。


12月が段々近づいてくると、いろんな事件や事故が起きるから、そう思うだけなのだろうか。
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何でも理屈で考える人だった。

最近あった出来事を自分なりに分析する。

私もそういう考え方は嫌いじゃなかった。

人の行動の裏にどんな思いがあるのか、すごい興味があった。

デパートに勤めていた頃、暇な時には行き交うお客さまの行動を観察するのが好きだった。

何を観察するよりも人間が一番おもしろい!


そして、毎回のように言う言葉が

「幾つになった?三十くらいになったか?」

だった。

「二十七よ!」

と毎回私は言う。

西田さんは、どちらかというと年増好みで、

二十代の女の子より三十代後半から四十歳すぎくらいがいいのだと言っていた。

三十代後半はムリでも三十歳くらいであって欲しかったみたいだ。

だから、毎回聞くのだ。

しかし、出会ってから半年も経っていなかったから、

どう考えてみたって一年に一歳しか歳を老らないのだから、

そんなすぐに三十歳にはならない。

年齢にサバを読む人もいるから、もしかしたら二歳くらい上に言ってくれないかと

期待していたのだろう。

親子ほどの歳の差があるのが気が引けるのかもしれないし、

あまり若すぎると会話がつまらなかったのかもしれない。

やはり近い年齢の方が安心していられるようだった。

でも、私を気に入ってくれて毎日のように通ってきて下さった。

とても嬉しいことではあるけれど、私は心配だった。

でも、西田さんが自分では誉め言葉だと思っていて実は違っていたことがある。

「最近ちょっと太ったんじゃない?」

って。

「女の人に太ったなんて言ったらダメよ!太ったって言われるとショックなんだから!!」

と私は嗜めた。

きっと西田さんは痩せていて太ったことがなあ体質だったから、

「太った」という言葉は女の人は嬉しいんだとずっと思っていたようだ。

西田さんに限らず、男と女の感覚は違うから、誤解していることは多いことだろう。
西田さんは、東灘に住んでいる人で、私と初めて会った日は

お母さんが亡くなれた後で気分転換に来られた。

お姉さんが1人いるけれど、今まで結婚もしないできてしまった55歳の男性だった。

55歳にしては髪が真っ白でサバを読んでいるとしか思えなかったけど、

お母さんの看病を何年間もされて心配ばかりだったからなのだろうと私は思った。

店長の話だと、週四回は飲み屋街で見かけるらしく、あちこちのお店に通っている人だ。

いつも私が休み明けの日には早くに来て、一言目には必ず

「昨日、酷い目に遭った」

と言う。

行かなければいいのに、もしかしたら安くてもいい子がいるかもしれない!と思って、

行ってみるのだった。

私のお店はちょっと高いからそう思うのも仕方ないけど、

でも、西田さんの場合はあまり関係ないかもしれない。

老舗から新しいお店まで、ピンからキリのお店まで、ありとあらゆるお店に行く。

私が今まで聞いた話からすると、行ったことのないお店はほとんどないんじゃないかと思う。

ちょっと理屈っぽい人ではあったけれど、まだまだワガママで子供っぽい私には、

色々と勉強になる話ばかりだった。
引っ越しも終わり、私たちは少しずつもとの生活に戻っていった。


しょうちゃんは引っ越しの次の日からお店に出ていたが、

私は「家が落ち着くまで・・・」と店長にワガママを言って、一週間休んでいた。

店長にもお店の女の子にも、もちろんお客さまにも心配や迷惑をかけてしまった。

こんなに休んでしまったから、頑張らなくては(☆。☆)!

火事に遭ったショックもまだあったけど、家も替わって新鮮な気分で再スタートだ。


久しぶりにお客さまに会うと、お店の女の子に聞いていたのか、

「火事に遭ったんだって!?」

と言われることが何度かあった。

「同じようなことがあるんやなぁ! 他のお店でも火事に遭った人がいるんや!

その人は女の子じゃなくてボーイさんやけど…」

一瞬、ヤバイ!バレる!!と思った。

お客さまの西田さんは、しょうちゃんのお店の常連客でもあった。

私のお店に来られるずっと以前からのお客さまで、私よりも10歳も年上の女の子の指名客だった。

私としょうちゃんが夫婦だなんて、もちろん知らない。

「私のマンションに同業者もいたから、もしかしたら同じマンションだったのかもしれないわね!

でも、すごい偶然ね(^o^;」

と私はシラを切った。


西田さんは、私のウソを信じた振りをしてくれた。

騙されたままでいてくれた。

そんな相手の思いを考えてくれる人だった。

とても有り難かった。
引っ越しは決まったのはいいけれど、家には今テレビもビデオデッキ、レンジがない。

生活に欠かせない電化製品。

食事も温かい方がいいけど、冷めたままでも食べられないことはない。

ビデオデッキも毎日必要な訳ではない。

でも、テレビは生まれた頃から当たり前にあったし、

見てなくても何となく付けてBGM代わりにしていたりするし、

私はまだまだテレビっ子でテレビのない生活なんて考えられなかった。


「明日、セイデンシャ(三宮にある大きな電気屋さん)に見に行こう」

としょうちゃんに聞いてみよう。

そして、引っ越しが片付いた頃に配達してもらおう~♪


やはり、しょうちゃんにとっても必要なものだった。

しょうちゃんは前みたいにゲームばかりするようになるのではないかと、

ちょっと心配はあったけれど、

仕事でクタクタでする気も起こらないのか遊び癖はおさまっているようだし

しょうちゃんも私に負けないくらいのテレビっ子だったから大丈夫だろうと

安心してテレビを買うこともできた。


携帯電話も今みたいにみんなが一台ずつ持っているわけでもなかったし

持っていてもそう便利なものでもなかった。

携帯電話にワンセグがあるわけでもなかったし、

iモードがあるわけでもなかったから新聞とテレビがなければ、

ニュースを見ることはできなかったのだ。

パソコンもインターネットが普及しつつある時代ではあったけれど、

まだパソコンでテレビが見られるわけではなかった。

それに私たちはパソコンを持っていなかった。

必然的にテレビを買う以外に方法はなかった。


今からでもセイデンシャの閉店に間に合わないわけではないけれど、

やっぱり明日ゆっくり見て決めたいから、今日は諦めて帰ることにした。
引っ越し屋さんに見積もりに来てもらった。

持っていく家具と持って行かないものを確かめながらの見積りだった。

あの火事で駄目に家具や電化製品があったからだ。

引っ越し先の住所を書いてある書類に電卓を叩きながら

次から次へと金額を書いていく営業担当者。

以前も利用したこともあってかなり値引きしてくれた。

ちょっと嬉しい(それでもやっぱり高いには変わりないけど・・・)

日時は一番早くて何時なのかを聞くと三日後だと言われた。

早く引っ越したい私たちはその日に決めた。



ほっとしてその営業担当者にいろいろ話をしていると、

「ここだけの話なんですが・・・」

と興味深いことを話してくれた。

「実は203号室の方から引っ越しの電話があったんですが、

待ち合わせの時間に待っていたんですが、結局来られなかったんですよね」

と。

203号室の人は火事を出した店員さんだ。

生きていたんだ!とちょっとほっとした。

引っ越しの見積りに来てもらっても何も残っていなかったのではないかと思ったけど、

もしかしたら見積りの必要もなかったのかもしれない。

会ったことはないけど、わざと火事を出したわけじゃないし生きていてよかった!!

どうしているかは判らないけど、きっと店員さんのお店にも寮があるはずだから

そこにいることを願った。
入居ができることが決まったら、色々と忙しくなる。

引っ越し屋さんに見積をしてもらって日取りを決めなくてはならない。


そんなことを考えている時に、

しょうちゃんのお店の店長から携帯に電話がかかってきた!

何の用事なのかと思えば、「いつ仕事に出れるのか?」

という電話だったらしい。

電話を切ったしょうちゃんは不機嫌に

「何考えてるんだよ!そんなすぐに店に出れるわけないじゃない!!」

ブツブツと文句を言っていた。

私は、家が火事の時でさえお店が大事な人だから、そんなことを言うわよね!と思った。

マネージャーのしょうちゃんが出ていれば、自分が早く出なくてもいいし、

人に任せていればお店は回るんだからいいわよね!

どれだけやる気がないのよ!!

まだ一週間も経ってない、火事に遭ったのは三日前じゃない!?o( ̄ ^  ̄ o)

「そんなことは気にしないでいいわよ」

私はしょうちゃんに言った。


引っ越し屋さんに電話したら、明日の夕方に見積もりに来てくれることになった。

家の電話が通じないのでしょうちゃんの携帯に電話して来てもらうことにした。

それに火事に遭っているので、インターホンは鳴らさず直接部屋に上がってくれるように言った。


引っ越しの日が近い日に決ればいいな~♪
次の朝は爽快な気分で目覚めた。


起きてすぐ不動産屋さんに電話して、ロフト付きの物件に決めたことを伝えた。

大家さんに都合を聞いて面接の日時の電話をくれることになった。

わりとすぐにその電話があって夕方に大家さんの事務所にいくことになった。

大家さんは建築会社をやっていて、事務所はあのマンションの一階にあった。

夕方に大家さんに会う。

どんなことを聞かれるのだろうか?とちょっと不安だった。

今からドキドキと緊張するけど、きっと上手くいくはず!

言われた時間にしょうちゃんと二人で事務所を訪れた。


すると、奥さんらしい人が奥に通してくれた。

優しい感じの人だ。

ソファーに座ると、奥さんは別に何を聞く訳でもなく

「面接で決めさせてもらってるのよ」

と言った。

何だか今まで緊張していたのがウソのような朗らかな奥さんだった。

奥さんは続けて、
 
「サラリーマンでもルーズな人もいるし、水商売でもきちんとしている人もいるんですよ!

だから職業だけでは決めないんですよ」

と言われ、私たちは二人は

「そうですね」

と言っただけだった。

何を聞かれることもなく、次の瞬間には

「何時から入られます?」

と言われ、意表をつかれてビックリした。

そして、ここに住めるのかと思うと、嬉しくて仕方なかった。


きっと奥さんは経験上、きちんとした人間なのかどうかを相手を見た瞬間に

本当はわかっていたのだろう。

そして、話す中で人間性を観察していた。


「すぐにでも入りたいんですけど」

と言って私たちの面接は終わった。

帰りに不動産屋さんに寄って契約書にサインをして、正式に入居が決まった。
ここに決~めた!!


私はそう思った。

きっとしょうちゃんも同じ気持ちでいてくれたようだ。

しょうちゃんを見ると目が輝いていた。

きっとすごく魅力のあるマンションだと思ったことだろう。

良いとは思ったけど、あと何件か物件をみることにした。

いろいろと見ていくけど、やっぱりあのマンション以外考えられなかったし、

探しても納得のいく物件はきっと見つからないだろう。

外は薄暗くなってしまった。

不動産屋さんには

「二番目に見た物件があの中では気に入ったのだけど、相談してから明日連絡します」

と言って、帰ってから二人でご飯を食べながらあのマンションについて話した。

前のマンションよりちょっと高いけど、お店からも近いし、交通費もかからないし、いいと思う。

他のマンションだと、いいかな?と思ったのは県庁近くのマンションだけど、家賃も高過ぎるし、

ちょっと不便かもしれない。

しょうちゃんは私と同じ考えをしてくれていた。

でも、もしかしたら私の気持ちを察してそう言ってくれていただけだったのかもしれない。

そして、私の嬉しい顔が見たかっただけかもしれない。

今となってはわからないことだけど、しょうちゃんは私の知らないところで

尽くしてくれるようなかわいい所もあったから、きっとそうだろう。


それからは、契約が決まったら、

「何処に何を置こうか?」とか「ちょっと天井が低いけど、やっぱりロフトは寝室よね!」

「寝室にはどういう風に置く?」等と間取り図を見ながら話が盛り上がった。

汚くて狭い寮だったけど、楽しい気分のまま二人とも眠りについた。
サラリーマンでもお金にルーズな人はいるし、夜の商売の人でもきっちりしている人もいる。

仕事だけで人を決めない、人を見て決めるのだそうだ。


現に水商売の人でもきちんとしている人もいる。

でも、一部のルーズで適当なことをしている人もいるから、みんなが同じように見られる。

私にとってもそんなふうに思われるのは迷惑な話だった。


お店の面接の時も私は時間よりも早めに行ったら、そこの店長に

「時間前にお店に来た人は初めてだ」

と言われたことがあった。

幼稚園の頃から

「約束は守りましょう」

「あいさつはしましょう」

「時間を守りましょう」

等と言われて来たのに、大人になってそれが出来ないのか

私は不思議でたまらなかった。

でも、その当たり前が出来ない人がいるから、お客さまに迷惑をかけたり、

お店が厳しくしなければいけないのだと思う。


大家さんのように偏見で決めないで判ろうとしてくれる人もいたことに私は嬉しかった。

もしかしたら、大家さん自体が過去に偏見の目で見られたり、

差別をされたことがあるのかもしれない。

大家さんの面接にパスした人しか入居していないのなら、いろんな職種の人が住んでいるだろうが、

こんな場所にしてはいい環境なのかもしれないと思った。
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