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一人でヒーリングサロンを広島に開店しました。開店までの奮闘記、波乱万丈の人生日記♪
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「ただいま~」

しょうちゃんは弱々しい声だった。

ダイニングテーブルに座ってモゾモゾとしているしょうちゃんに腹が立った。

「何か言うことないの?」

「ごめんなさい」

「ごめんで済めば警察はいらないわよ!自分のお小遣いでやるなら文句も言わない!!

家のお金に手を付けることは許さないって言わなかった?」

私はしょうちゃんを睨み付けた。

しょうちゃんは叱られた子どものようだった。

好き勝手やってきただろうけど、今はそんなことをやられても迷惑なだけだ。

「悪いけど、あんたの給料じゃ一円も残らないのよ!ギャンブルに使えるお金なんてないわよ!」

「ヒロのお金があるじゃない?」

「そんなことのためにあるんじゃないわよ!最初に言ったわよね?

私の給料はないものと思って当てにしないでって!」

「・・・」

「夢なんて最初からムリなんだから、諦めたら? 大した夢でもなかったんでしょ!」

私はしょうちゃんを軽蔑していた。

少しでも尊敬するところがあればいいけど、こんな頭のわるい人だとは思わなかった!

と心の中で詰った。
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しょうちゃんが出ていっている間、ストレスなのだろうか、下痢をした。

もともと胃腸が弱いから仕方ないとは思っていた。

でも、私は今までストレスが何かがわからなかった。

しょうちゃんとのことがあって、私はあまりぐっすり眠れなかった。

これがストレスだと気付いた。

ストレスが原因で胃が痛かったし下痢をしたし、

あまり肌荒れもしたことないのに吹き出物がひどかった。

自分が思っているほど精神的に平気ではなく、

この事件が解決しないかぎり心の平安はないのだ。

思えば、結婚当初からお金に纏わるトラブルしかなかった。

私はこの人の後始末をしていかなければならないのかと思うと気が重くなった。

自分の起こしたトラブルは自分で何とか出来ないのなら、最初からしないでほしい。


都合が悪くなるとすぐ逃げる性格は変わっていない。
家のお金に手を付けただけだが、ギャンブルの借金に加えて同僚や女の子にも

迷惑をかけたのかもしれない。

だからこそ、あんな大金を簡単に通帳から抜いたのだろう。


今日、しょうちゃんは帰ってくる。

どんな言い訳をするのだろうか?
帰ってくるのなら、何に使ったのかを問い詰めなくては!

私とやり直したいのかそうじゃないのか、疑問を感じていた。

誰だってそんな簡単には信用できない。

しょうちゃんは許して貰えると思っているのかもしれないけど、

人は一度裏切られた人間をそんなにすぐ受け入れることなんてできない。

裏切られた人の痛みは、しょうちゃんにはわからない。

ましてや他人じゃなく自分の配偶者を騙すなんて、どんなショックかはわからないだろう。

これから先だって、私を騙すかもしれない。

その覚悟はしていた。


ギャンブルの借金に使ったことは聞かなくても分かる。

そんなことはもうたくさんだ。

そんな無駄なことに使って、何一つ自分のためや将来のための役には立たない。

私は何も努力をしない人や向上心のない人は嫌いだ。

私は簡単にお金を稼いでいるわけではない。

飲みたくもないお酒を飲まなくてはいけなかったり、無理しすぎて胃が痛かったり、

それでも仕事だから仕方ないし、この道を選んだのは自分だから、何があっても愚痴らない。

しょうちゃんは店長とは相性が合わないかもしれないけど、

それは最初からわかっていたことだし、

それくらいのことでストレスが溜まったなんて理由にもならない。

それに自分では仕事が出来ると思っているけど、

こんな適当なことをやっている人が出来るわけない。

何を基準に仕事が出来ると思っているのか知らないけど、

ただの自惚れではないかと私は思っている。

家に帰って同僚や店長の悪口や愚痴を言うのは、ただのわがままではないのか?

お客さまもいろんな方がいらっしゃるけど、

同じお店のスタッフだって合う人と合わない人はいる。

それを自分の思い通りに出来るわけがないのだ。
しょうちゃんが出ていって二日が経った。


きっとしょうちゃんはお店の寮で生活しているだろうから、心配はしていなかった。

それに私は私で、50万円のことを考えるとムカつくけど、

何かに縛られることもなく生活していけることに心地よさを感じていた。


この先どうするのかわからないけど、仕事のことを考えて煩わしいものが何もないことに、

精神的なリラックス感もあった。


どのくらいこんな生活を続けるのだろうか?

別居状態が何年も続いて、やっと離婚した、なんて話はよく聞くけれど、

一体どれくらいかかるのかしら?それを考えると溜息しか出てこないけれど、

とりあえずは快適な生活は手に入れた。


でも、しょうちゃんは電話をかけてきた。

「帰っていい?」

と甘えた声を出す。

「何で?帰って来なくていい!」

と冷たく言った。

「もうしないから!お願い!!」

一度だけ許してあげようかと思ってしまった。

「わかった!いいよ」

と私の悩みが増えることはわかっているのに、許してしまった。

何でそんな気になったのか私にもわからない。

でも、本当に信用できる言葉かどうかもう少し様子を見て結論を出したいという思いがあった。
しょうちゃんは「ごめんなさい」と言ったけど、私は何も聞きたくなかった。

「わかった!出ていくよ」

と言って出ていった。


私は胸の奥の方がジーンと熱くなって痛かった。

それより毎日の生活に四苦八苦していくのは嫌だと思った。

一生懸命生きていて、それでも苦労するのなら、一緒に苦労してもかまわない。

でも、しょうちゃんは自分の快楽のために私を巻き込んだ。

妻なんだから当たり前だと思っているなら、私はそんな言い訳を許したくはない。

そんな適当な生き方は私には合わない。


快楽に生きる人の行動にいちいち振り回されて、

そのたびに嫌な思いをしたり傷つけられたりするのなら

ひとりでにいた方がいいんじゃないかと思った。


出ていったとは言っても家の鍵を持っているので、

キャッシュカードや通帳、印鑑は自分で持っていないと

私のいない間に持ち出すかもしれないから、毎日持ち歩くことにした。


しょうちゃんが出ていって広い部屋がものすごく広いように感じた。

淋しいと感じたけれど、私の生活を脅かされるよりもマシだった。
しょうちゃんが仕事から帰ってきた。

どうやって切り出したらいいんだろう。

気のせいだろうか?

しょうちゃんの様子が何だかおかしい。

私の態度がいつもと違うことは明らかだったからだろう。
 

「何に使ったのよ!」

と私は言った。

「競馬」

としょうちゃんは申し訳なさそうに言った。

家のお金に手を付けることは、許せなかった。

お小遣いの中でギャンブルをやることは一向にかまわなかった。

しかし、家のお金は別だ。迷惑をかけてまですることじゃない。

そんなにギャンブルをやりたいならすればいいが、家とは関係のないところでやることだ。

それに、50万円なんてしょうちゃんには稼げない金額だ。

そんなに簡単に稼いだお金ではない。

「ギャンブルがそんなにいいなら、出ていってくれる?

私はあんたのギャンブルのために働いてないわ!!」

と激怒した。
しょうちゃんが帰るまでの間、どう言えばいいのか考え、

TVの番組も耳に入らなくて、いつの間にか時間が過ぎた。

いくら考えを巡らせても、答えを出すことは出来ず、結局私は素直な気持ちをぶつけることにした。


私を騙すつもりならもっと賢いやり方をすればいいのに、簡単にバレるようなことをする。

今ごろは言い訳を考えているかもしれない。

今まで謝れば許した私をナメているのか、私のお給料を当てにしているから

そうしているのかは今もわからないけど、「これくらい許してくれるだろう」という

気持ちがあったのだろう。

私の収入を当てにしている無責任な行動は許せなかった。

男として最悪だと感じた。


私はしょうちゃんにかなり罵声を浴びさせるかもしれない。

プライドを傷つけられるようなことを言っても、しょうちゃんはいつも黙って聞いている。

「ごめんなさい」と謝れば済むと思っている。

だから、私は余計に腹が立つ。


今回もこんなパターンになるだろうことは予想できた。

生田署から電話があって出かけた。

担当の刑事さんがさっそく写真を見せてくれた。


やっぱり(´ω`)


そこに写っていたのはしょうちゃんだった!

私の財布からクレジットカードを抜き取って、お金を下ろしたのだ。


親子でも夫婦でもしてはいけないことだ。

そんなことをしたしょうちゃんを信じられない、と思った。

今までもいろいろあったし、旅行のお金を遣われた時もショックだったけれど、許してきた。

それでも、心の底の底では一番の味方だと思っていた。

裏切られたような気持ちになった。


今日、私が生田署に行くことはしょうちゃんは知らない。

しょうちゃんはどんな言い訳をするのだろうか?

それとも、シラを切るのだろうか?

それとも、逆ギレするのだろうか?

でも、私は許すのだろうか?


今は頭に血が上って、どうしていいのかわからない。

しょうちゃんが帰ってくるまでには時間がある。

もっと冷静になって、どうすればいいのか考えよう。

考えても混乱した頭の中がクリアになるわけではないけれど、

少しはマシな対応ができるかもしれない。
仕事から帰ってきたしょうちゃんに

「キャッシュカードがなくなったの!あのお店で無くしたのかしら?」

と言った。

しょうちゃんは、何もなかったように

「どこで財布開けたの? 別の場所で落としたんじゃないの?」

と言った。


ゴールデンウィークに入ってしまったから、銀行も閉まっている。

とりあえず、口座から引き出せないように、銀行には電話して止めてもらった。

しかし、残高を確認すると、50万円が下ろされている!!


ウソ!!!

と、自分の目を疑いたかった。

しかし、何度見てもまぎれもない事実だった。

怒りと信じられない気持ちで私の手はワナワナ震え、涙が溢れてきた。

私はしょうちゃんを信じたかった。

でも、他に考えられなかった。


私は生田署に行って、担当の警察官に防犯カメラの映像を見せてもらいたいと頼んだ。

ゴールデンウィーク中は銀行も休みなので、営業所のビデオに残っているかどうかは分からないけど、

休み明けに見せてもらえることになった。


しょうちゃんの仕業だったら、許せるのだろうか?

大概のことなら何とか許せるかもしれないが、この思いを飲み込んで何もなかったように

暮せるのだろうか?
あれから半年がすぎ、火事に遭った怖さもようやく忘れ、

新しいマンションでの生活を快適に過ごしていた。

相変わらずゲーム好きのしょうちゃんだったけど、

毎日真面目に仕事に行き、私も仕事前に洗濯や掃除をして、どこにでもある家庭だ。

私は幸せを感じていた。


そんなある日また事件は起こった。


私はしょうちゃんと買い物に出かけた。

いつものお店に立ち寄って、おしゃべりをしながら試着をして服を買った。

しょうちゃんは仕事に行き、私は仕事は休みだったので家に帰った。

財布を開けてみると、キャッシュカードが一枚なくなっていた。


えっ!!!


私はかなり焦った。

その口座には全財産が入っていた。

暗証番号はそう簡単には分かるはずはないけど、万が一ということがある。

でも、カードがなぜないのか!?

いつも財布に入れているから家にあるはずもないし、落とすはずもないし、

行った先はあのお店だけだし、店員さんかしょうちゃんしかいなかった。

まさか、しょうちゃんなの?

疑いたくはなかったが、それ以外考えられなかった。
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