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一人でヒーリングサロンを広島に開店しました。開店までの奮闘記、波乱万丈の人生日記♪
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鹿児島にいる間、おいしいものも食べたし、

ふたりでドライブして観光名所に行った。

そして、思い出に薩摩切子のグラスを買った。

この旅行が分岐点となり、再出発になればいいな~

このグラスを見るたびに私は 辛い思いを抱いていたことも、

離婚の決断をした重要な旅行になったことも 思い出すのかもしれない。

でも、逃げないでその辛い気持ちと真正面から向き合いたい。

そして、いつか風化する日が来るのを愉しみにしよう。

しょうちゃんとの結婚生活が トラウマになったりすることがあるのかもしれないけど、

その心の傷にも目を背けて何でもない振りはしないでいよう。

苦しくて泣く毎日があっても きっと乗り越えられると信じて

苦しむだけ苦しもう。

苦しい先には明るい未来が待っているはず!


鹿児島から帰ったら、新しい自分になれるよう

生活を少しずつ変えてみよう!
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別にあの占いで私の人生の選択をしたわけではないけど、

あやふやな私の背中を押してくれたことは確かだ。

このまましょうちゃんのわがままに付き合って

自分のやりたいこともできずに

一生を借金を払うだけに費やすなんて人生は

死ぬときにきっと後悔し、あの人を恨むことだろう。

いや、もう十分恨んでいるかもしれない。

これ以上彼を憎みたくない。

嫌いになる前に別々の人生を歩もう。

もう、迷わない。

迷っている場合じゃない。

これからひとりで生きていかなければならない。

今はまだ実感がないけれど、

ひとりで生きていくことはきっと思っている以上に

淋しくて辛いかもしれない。

私が迷っていたのは、もしかしてこの不安のためだったのだろうか?

淋しさを埋めるのはしょうちゃんでなくても他の誰かでも良かったのだろうか?
順番が来て、占ってもらうことになった。

姓名判断と手相で占うらしかった。

しょうちゃんと私の姓名判断をしてもらうと意外な答えが返ってきた。


「男の方は金運がないですね。

これから先、もっと悪くなっていきます。

昇一を昇一郎に変えられたらいいと思います。

貴方は金運があるんですね。

貴方の金運があったからこの方は良かったんです!」


な~るほど!


金運がないからパチンコに言っても負けるのね!

私に金運があることはどこで占ってもらっても

言われるからわかっていたことだけど、

あの人がこんなに金運がない人だとは思わなかった。

この先もきっと金運の悪さから私はずっとお金に苦労するのね!

あれだけ負けるのは金運のなさが原因だったんだ!

負けるくせに余計ギャンブルにハマる。

それに一緒にいたらふたりともダメになるような気がする。

それにこの人のために後の人生を無駄にすることは私にはできない。


女の子なら恋愛運も占ってもらうだろうが、

私の気は済んだからそんなことはどうでもよかった。

それより、私の判断は間違っていなかった!と確信した。
ホストクラブを出た後、占いに行くことになった。

鹿児島の繁華街の路上で占いをやっていて、よく当たるらしい。

奈々ちゃんの幼なじみも結婚することが

当たったみたいだ。

そういえば、結婚式が地元であるから・・・

と土日に休みを取っていたことがあったけど、

あれが幼なじみの結婚式だったのか!

まだ最近のことじゃない?

行ってみると、女の子は占いに興味があるし、

よく当たるらしいから、行列ができていた。

きっとみんな可愛らしい恋の悩みを抱えて、

ここに来たんだろう。

私みたいに人生を決める悩みを抱えている人は

この中にどれくらいいるのだろう。

私の目にはシアワセそうに見えるんだけど、

それは私か今、しょうちゃんとの事に

疲れているせいなのだろうか。


どんな占いかワクワクして 奈々ちゃんとおしゃべりしながら順番を待っていた。
次の日から奈々ちゃんと昼間は遠出をして鹿児島の観光、

夜は昔奈々ちゃんがよく行っていたホストクラブや

奈々ちゃんがお世話になったお店等々に行ってみた。


ホストクラブ・・・とは言っても飲み放題で1980円のお店で

女子高生もセーラー服姿で遊びに来ている。

奈々ちゃんが十代の頃からこの値段だったらしいが、

今だに1980円でやっていることにビックリだった!


それにスタッフの人も素朴で

プライドで生きているイメージとは程遠いような気がした。


「へ~、安いやん」


リーズナブルな値段だし、そりゃ高校生も来るはずだわ!


と感心しながら、

鹿児島のイントネーションが面白くてホストの男の人の話を

ケラケラと笑いながら聞いていた。

ステージで歌も歌えるようなはなっていたけど、

雰囲気を愉しみながら奈々ちゃんと飲む焼酎の水割りは美味しかった!

話もたいした事を話したわけじゃないけど、

鹿児島弁のせいか癒されたような気になった。
鹿児島に着くと奈々ちゃんの実家に行った。

奈々ちゃんの両親は小さい頃に離婚していたので、

叔母さんに育てられたと前に聞いたことがあったが、

家に入ると叔母さんが出迎えられた。

奈々ちゃんは不器用であまり友達がいなかったようで叔母さんには

「仲良くしてやって下さいね」

と言われた。

奈々ちゃんは、そんな事いいから!と嫌そうな顔をしていた。

三人で世間話をしていたら、奈々ちゃんがふてくされた顔をしはじめた。

何でかと思ったら、いつも叔母さんは奈々ちゃんが帰ると

「もういい歳なんだから、早く結婚しなさい」

と言われると言っていたけど、

いつも言われるパターンが同じで前置きに入っていたようだ。

ふてった奈々ちゃんを横目に聞いていると、やはりそういう話になってきた。


「お客さんが来てるのに、そんな話はいいから!」

とさらに不機嫌になっていた。


私は離婚しようとしているのに、

同棲したことはあっても結婚したことのない奈々ちゃんが羨ましい。


29歳と言えば、女の人は結婚に焦り出す歳!

不安はあるかもしれない。

でも、離婚する辛さは彼女は知らない。

「離婚には結婚以上のパワーがいる」

とは言うけれど、実際こんな大変だとは思わなかった。


本当は身も心もボロボロになっているけど、

まだ結婚に夢を見ている奈々ちゃんには

あまり辛そうな所は見せたくなかった。

これから誰かと結婚して幸せになってほしいから・・・

結婚は幸せなものではなく辛いだけのものだと

思ってほしくないから・・・

私はこんな選択しかできなかったけど、

奈々ちゃんはそんな風に生きてほしくはない!

睡眠薬があまりにも効きすぎるから2~3日は飲んでみたけど、

朝起きるとあまり気分が良くないので、やめた。


そして、ずっと仕事も休んでいたし、しょうちゃんの借金でお金もなくなってきていた。

その不安もあったけど、涼子さんだけでなく、

奈々ちゃんも私を心配してくれて実家に帰るけど一緒に来ないかと誘ってくれた。

そういえば、前に帰省する時に奈々ちゃんの故郷の鹿児島に

一緒に連れていって欲しいて言った事があった。

彼女は覚えていてくれて、気分転換にいいだろうと思ったみたいだった。

私は九州にはしょうちゃんとの湯布院の温泉旅行以外行ったことはない。

ましてあんな南の端にある街に行く機会は

これから先あるかどうかもわからないので、

私は一緒に行くことにした。


奈々ちゃんに

「鹿児島ってどんな所?」

って聞いたとき

「山が山ほどある」

の答えにだじゃれか何かと思った。

本人は真剣に返した答えだった。


その意味が飛行機の窓から見た鹿児島の景色に

本当に「山が山ほどあった」事にビックリした。


思わず

「山が山ほどあるね」

と純粋に答えた自分に笑えた。
涼子さんに一緒にいてもらったおかげで、気は紛れた。

でも、私はあまり眠れずにいた。

私の周りには安定剤を毎日飲んでいる人が居たが、

今まで私はどんなに眠れなくても何とかなっていた。

でも、しょうちゃんの事で精神状態が不安定な毎日で、

眠ってもすぐに目が覚めてしまうのだった。

掛かり付けの産婦人科に行って眠れない事を言うと

睡眠薬をくれた。

初めて睡眠薬を飲んだ日はぐっすりと眠って、

今まで眠れなかったのがウソのようだった。

でも、この薬は私には効き目が強すぎて、

朝起きてからずっと眠くて、一日中ウトウト居眠りをしてしまう。

いったいどんな薬をもらったのかと思って、

神戸の奈々ちゃんに聞いてみた。

すると、かなりキツい薬で12時間効くらしかった。

先生は

「効きすぎたら錠剤を小さく砕いて飲んで下さい」

と言っていたけれど、そんなに強い薬だとは思わなかった。

でも、先生の目にはかなり私は顔色が悪くて、

体力を消耗していたように見えたのかもしれない。
案の定、しょうちゃんは逃げてばかりいて、なかなか離婚に応じなかった。

携帯電話に電話をかけても出る気がないのかいつも留守電に替わった。

何度もかけるうちに着信拒否するようになった。

都合が悪くなるといつもだ。

予想はついていたけど、やっぱり・・・だった。


そんなことで毎日奮闘しているところに、涼子さんから電話をもらった。

マネージャーの奥さんの涼子さんだ。

マネージャーがいなくなったと聞いたとき、

どうしているんだろう!と思ったけど、離婚したらしい。

私たちが神戸に行ってからマネージャーのギャンブルがひどくなり、

かなりの借金が出来た。

そして、もともと暴力を奮う人だったこともあってしばらく実家にいたらしいが、

正式に離婚したようだ。

そして、今は元はお客さまだった人と婚約して一緒に住んでいるみたい。

私たちも離婚するかもしれないことを告げると、

暗い声をしていた私を元気付けようと

みんなでご飯を食べに行くことになった。

涼子さんにとって、久しぶりに電話したら仲のよかったふたりが

離婚することになっていたことには、

かなりのショックを受けたようだ。


婚約者の車で家まで迎えに来てくれて食事に行った。

食事の間中、私に気を遣ってくれた。

私は涙がこぼれてきたが、みんなは見ないフリをしてくれた。

その日は涼子さんの家に泊まり、次の日から私は仕事も当分休んで、

涼子さんと気晴らしにお買い物に行ったりおしゃべりをした。

婚約者のマーくんにも「遊んでやってよ」と言われた。

でも、実際は私のほうが遊んでもらっていた。
色々と奈々ちゃんな話を聞いてもらって、

少し気が楽になった。

女って不思議だね!

別に問題が解決したわけじゃないけど、

誰かに話を聞いてもらうだけで

気持ちが軽くなる。

先の事を考えると気が重いけど、

今のところは心のモヤモヤが楽になった。


きっとしょうちゃんの事だから面倒な事から

逃げようとすることはわかっている。

だから、離婚にこぎつけるまでに

かなりの時間がかかるのは覚悟をしている。

借金を私が払ってくれると思っているだろうから

なかなか離婚届にもサインをしないかもしれない。

でも、私は五年もしょうちゃんの妻をしていたから

あの人の行動パターンは読める。

逃げるあの人を捕まえてサインさせてやる!!
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