[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
と周りのことはどんなに迷惑がかかっているのかお構い無しだ。
お金を貸している社長だって104万円なんて大金を簡単に貸しているわけではないだろう。
どれだけ自分勝手なのだろうか?
「自分で何とかしなさいね」
そうは言っても人に迷惑がかかっていることは気がかりだった。
私がお金を出せばきっとこの先もずっと頼ってしまうことはわかっている。
でも、返さなければいけない。
この人が、この先私を当てにしないで社長にお金を返す方法はないだろうか?
考えたけれど、そんな方法は思い浮かばなかった。
結局、私はしょうちゃんの甘い考えが当たり前になるように
お金を出さなければならないのか、と諦めた。
将来、いい結果の出ないことは目に見えている。
どこまで私の我慢が耐えられるのかわからない。
でも、私が我慢さえすれば済むのかもしれない。
この人が自分の言ったことも守れない適当な人間だということは、
何度となく見てきてわかっている。
そのことを軽蔑し、いつ私はこの人を冷たく見捨てる日が来るのだろう。
「出してあげるわよ!
その代わり、お小遣いも誕生日もクリスマスも何もないわよ!!」
「ヒロがそうしたいなら、それでいいよ!」
銀行からお金を卸しながら私は思った。
こんなの、良くないよね~
いつかこの人は私が戸籍上の妻ということを利用して私を騙すかもしれない・・・
それも覚悟した。
それに人にお金を出してもらうのに、何であんなヘラヘラとしていられるのだろうか。
「今ごろ何言ってんの?
自分で作った借金なんだから自分で何とかして!」
都合が悪いことはギリギリまで言わないくせに、
結局は自分の後始末も自分で出来ないで今さら何で人に頼る必要があるのか!
人をナメているとしか思えない。
私が見てきた中で、自分でキッチリとケジメがつけられたことは一度もない。
ケジメられるどころか、逃げている。
「人の借金を払う義務は私にはないけど!
別にあんたの借金払うために働いてるわけじゃない!一円も出さないわよ」
とキッパリ言った。
「お金、貸して!」
「旅行のお金もまだ返してもらってないのに、貸さなきゃいけないのよ!」
私はもう貧血を起こしそうなくらい、頭に血が上って怒りまくっている。
「払わないと神戸に行けないよ」
「行かなくていいんじゃない?
そんなことは今わかったことじゃないんじゃないの?
最初から私に払ってもらおうと思ってたんでしょ!」
しょうちゃんを少しは認めてあげなければいけないと思い始めて、
私は以前よりは穏やかな気持ちでしょうちゃんを見れるようになった。
そして、相変わらず仕事にのめり込んではいたが、
ほんわかした気持ちで仕事をするようになった。
こんなに気持ちに余裕を持つと、体も楽なような気がする。
心も体も頑張りすぎていたことに気づく。
気持ちが穏やかになると、せかせかとしていた毎日が
何だかゆっくりと感じられた。
こんな心がリラックスした日々がずっと続けばいいのに・・・
何事もなく平和な日が過ぎ、春が来た。
気が付けば、1年が過ぎていた。
私はようやく広島にも慣れ、ずっとここで平和に暮らすものだと思っていた。
ところが、ある日しょうちゃんが「神戸に帰る」と言い出した。
神戸店のマネージャーの大塚さんがちょくちょく広島に来ていたのは知っていたのだが、
彼は店長の合田さんと性格が合わずお店を辞めることにしたらしい。
そして、神戸店には後任のマネージャーをする人がいなかったので、
広島ではその見込みはないけれど、今がチャンスだと思ったらしい。
神戸に帰ればしょうちゃんはきっとマネージャーになれるだろう。
しかし、しょうちゃんは安易に考えているように思えてならなかった。
マネージャーは役職が付く分、広島店よりは売上も上がっているみたいだし、
お給料も今よりはいいのだろう。
けれど、マネージャーというだけ仕事も大変になることだろう。
ゲームをして遊んではいられなくなるし、遅刻ばかりしているしょうちゃんが
今のままではいられなくなる。
しょうちゃんはちゃんと責任ある立場を全うできるのだろうか?と
私は心配だった。
私のことを思ってそう考えているのは嬉しいけれど、
しょうちゃんはわかっているのだろうか?
でも、私も広島よりは神戸の方が好きだった。
広島県の気質はあまり好きじゃなかった。
本音と建前は、日本人のいい所でもあるけれど、
はっきりと意思表示できないのはあまり好きではなかった。
それにはっきりと言えないのに後で文句を言われるのはイライラする。
関西の人たちのようにはっきりした嫌なものは嫌と言える自己主張が
出来る人たちが私は好きだった。
この1年間いい人たちもいたけれど、私はあまり好きにはなれなかった。
だから、内心はこれでやっと神戸に帰れると思うと嬉しかった。
神戸に帰るまでの間、引越しの準備、神戸で住むマンションの契約などで
バタバタしながら1カ月を過ごした。
私はお店には毎週日曜日と月曜日の連休にしてもらって
広島と神戸を行ったり来たりしていた。
そして、ようやく何もかもがスッキリと片付いた頃、
またしょうちゃんが何やらもぞもぞと言いにくそうにしている。
何なのかと思えば、
「社長に104万円借金がある。」
のだった。
「何なのその借金は?それにそんなお金どこにあるの<`~´>?」
と私は腹がたった。
いつからそんな借金があったのかも、そんな金額の借金が何であるのかも
私には理解できなかった。
なにより私にずっと隠してきたことの方が許せなかった。
私と結婚する前にギャンブルで作った借金らしかった。
「結婚前の借金を私が何で払うの?
それに借金があるまま普通結婚しないんじゃないの!!」
また私は怒りが爆発してしまった(ーー;)
「早く着てみてよ!」
と私が新しいワンピースを着てくるのを待ってる。
ふたりで出かける時に着るから今でなくていいじゃない!
と思うけど、嬉しそうな顔をして待ってる。
まるで、私が初めてセーラー服を着たときの父のようだった。
父は中学生になる娘の成長を嬉しそうに見ていた。
しょうちゃんもその父と同じようにワンピース姿の私を見て微笑んでいた。
本当に嬉しそうに
「今度のお出かけの時は、これ着てね!」
と言った。
ゲームをしている時は子供のまま大人になったように感じるけれど、
今みたいに何だか父親のような感覚になる時がたまにある・・・不思議な感覚だ。
しょうちゃんは、私がキツい事を言っても変わらず私に優しかった。
私に不満はないのだろうか?
それとも言えないだけなのだろうか?
私は近くに居すぎて不満ばかりなのに変わらないままのしょうちゃんが憎らしい。
久しぶりにふたりでお風呂に入った。
前はよく一緒に入っていたのになあ~
やっぱり肌に触れ合うのは安心するというか心地いいというか、何だかとてもリラックスする。
お母さんの胸に抱かれた赤ちゃんのようにすやすやと眠れそうなくらい。
人の肌ってこんなにあったかいミルクみたいだったっけ?
普通の奥さんってこんな幸せに包まれて毎日心地いい眠りにつくのかしら?
その夜の私は安堵感に包まれて、すぐに深い眠りに落ちてしまった。
しょうちゃんが帰ってくるのを待っていた。
午前零時を回った頃、ドアのベルが鳴った。
今日は暇だったのか早く帰ってきた。
今日も暇なの?
どれだけやる気がないお店なの?
いくら店長が昔からお世話になっているからと言っても、こう毎日が暇なんじゃ困るわ。
まだ一年目だから仕方ないのかもしれないけど、生活できなかったら仕方ないじゃ済まないわよ。
結婚する時の約束はどうなってるの!
いつになったら、私は夜の仕事を辞めれるの?
自分で言ったこともきっと忘れている。
夜の仕事を辞めるどころか、私の収入がなければ今の生活は無理なのだ。
しょうちゃんのギャンブルさえなければ、普通に暮らせるだろうけど、
私が仕事を辞めたところでこの癖は直らないのはわかっているし、
お金がなくなっても私が何とかしてくれると思っているから、
今のうちにお金を貯めておくことしか私にはできない。
「早くあんな暇な店辞めればいいのに!
いつまでいたって変わらないでしょ!!」
と私は常日頃から思っている。
でも、しょうちゃんは十代の頃から可愛がってもらっているから辞めたくないのだと思う。
いい影響もないように思うけど。
しょうちゃんが着替えている間にお料理を温め直して、
二
人で普通の家庭には遅すぎる夕飯を食べた。
「今日、何してた?」
「デパート巡り!!」
そんなことは聞かなくてもわかっているはずなのに、なぜ聞くのかと思いながらも私は答えた。
ゴミの山を見ればわかるはずでしょ!
50万使ったとは思わないだろうけど・・・。
でも、そうだとわかっても怒らないような気がする。
今でも、私が新しい服を着ても高い化粧品を買ってもキレイでいることに素直に喜んでくれる。
普通の旦那さまなら「無駄遣いするな」と叱られるようだ。
そういう意味では理解のある旦那さまなのかもしれない。
そう考えると、何だかちょっとかわいそうになってきた。
私のことを自分のことのように喜んでくれているのに、
しょうちゃんが何か言っても私は素っ気なかった。
私は仕事のことばかりで、
しょうちゃんが楽しそうにしていることを一緒に楽しんであげられなかった。
「今日ね、ワンピース買ったの!」
と言ってみた。
「後で着てみせてよ」
やっぱりかわいいしょうちゃんのままだ。
私は結婚して、お金の不安から仕事中心の生活になり、
自分でも気付かないうちにすっかり変わってしまっていたのだろうか?
しょうちゃんが帰ってくるのはまだまだ遅いけれど、とりあえずは先に作った。
今日買った洋服をクローゼットに納めながら、帰ったときのしょうちゃんがどう反応するのかを考えた。
いくら鈍感な男の人だって、あんなに買い物をして出たショッピングバッグを見れば、
誰だって買い物に出かけたことぐらいわかるはずだ。
そこでしょうちゃんは何と言うんだろうか?
今まで私がイライラしているのはわかっているはずだから、
こんな買い物をするのも仕方ないと思うのだろうか?
それとも勝手にこんな買い物をしたことに怒るだろうか?
でも、日頃から
「自分には、特に化粧にはお金をかけなさい。
自分の奥さんがキレイでいることに何の問題があるのか?」
と言っている。
別に文句を言われることはないだろう。
ただ、金額を聞けば驚くだろうが、察しはつくだろう。
ただしょうちゃんが勘違いをしなければいいが・・・という不安もある。
私がこんなに使っているんだから、自分も使ってもかまわないだろうと思われることだ。
もし、そんなことが起こった場合は、私はしょうちゃんには内緒の貯金をすることに決めた。
とりあえず、しょうちゃんが帰るまでTVでも見てのんびりしよう。
今の生活に負われて疲れていることに気が付く。
私はもっと幸せだったはずなのに、しょうちゃんは私にとって
重荷になってきているのは確かだ。
しょうちゃんがしっかりしない分、私が頑張らなかったら生きていけない。
本当ならば大事なものの為にもがきながら必死に頑張らないといけないのは
しょうちゃんなのに、 私の方がやっている。
男女が逆になっている。
収入が多いとか少ないとかの問題じゃない。
自分の家庭を守ろうとしているかどうかなのだ。
今までの彼を見ていると、家庭を守るには程遠いことをやっている。
夢も家庭もそれほど大事なことでもないのかもしれない。
考えれば考えるほど失望するばかり。
そんな自分勝手な事をするならば、私は何の手助けもする気はない。
私だけの事を考えて生きたい。
しょうちゃんは、私の仕事の邪魔にもなってもきている。
いい仕事をするには、負担をかけるような男は必要ない。
でも、まだどこかでいつかまともな男になってくれると信じたい思いも拭い切れずにいる。
自分でもバカじゃないかと思う。
こんな男はさっさと捨ててしまえばいいのに!
けれど、そんな簡単に諦めたくもない。
簡単に気持ちを切り替えられたらどんなに楽だろうか?
人間が感情の動物でなければ、こんなに悩まずにスパッと見捨てることができたのに。
こんな中途半端な気持ちのまま、いつまで過ごすのだろうか。
私は銀行から50万円を下ろして、パルコを目指した。
私は広島に来た頃、どのデパートに行っても店頭に並んでいるものは無難な色、
デザインのものばかりで代わり映えがしないからほぼ行くことが無くなった。
そごうには靴を買いに行くときだけだった。
そして、洋服はパルコぐらいしか私の好きそうなものはなかった。
中に入ると一階から順に見ていく。
靴、スカート、ジャケット、コート等を次々と見ていく。
気に入ると、試着してみる。
元々デパートで働いていたからお客側の心理は知ってる。
だから、あまり迷わない。もし迷ったらどちらかを選ぶのではなく、両方を買う。
たまに店員さんにビックリした顔をされる。
何が違うのか私には分からなかったが、広島にはそんな買い方をする人はいなかったのだろう。
神戸でそんな買い方をしても不思議がられたこともない。
当たり前な買い方だと思っていた。
歩き回って、お買物袋も両手いっぱいになった。
ほぼ欲しいものは手に入れて歩き疲れたので、ちょっと休憩・・・カフェで紅茶を飲む。
本当だったらこんな時間があったはずなのに、しょうちゃんの幼稚さに疲れて、
すっかり自分の心地いい時間を過ごせなくなっていた。
それでも、最初はそれでもいいと思っていたのに、いつの間にか私には少しずつ
負担に感じるようになっていた。
しょうちゃんが嫌いなわけではなかったけど、私は何をしているかわからなくなってしまった。
結婚はこういうものだろうか?
結婚は忍耐だというけれど、私は我慢して生きていかなければならないのだろうか?
私は幸せだと言えるの?
誰かに相談したかったけど、相談できる人がいない。
母にも電話したいけど、勝手に出てきてしまったからそれもできない。
しょうちゃんを選んだのは私だけど、無性に母の声が聞きたくなることがあった。
でも、それはできなかった。
家を出てきた時に、ちゃんと家庭を作れるまで連絡は取らないと決めていたから。
しょうちゃんは、自分のお母さんは大事にするのに、
私の親は大事にしてくれてないように感じる。
私の親だっていつも元気なわけではないし、病気はしてないだろうかと心配になることがある。
でも、一度も話に出てきたことがない。
もしかしたら、優しさも自分に何かしてもらうためのウソの優しさで、
本当は冷たい人なのかもしれない、と感じ始めてしまった。
遅番だろうが早番だろうが毎日起こした。
相変わらずお店も忙しくて寝不足な日が続き、段々私は疲れが残るようになった。
起こしても甲斐が無く、しょうちゃんが毎日のように遅刻することに私は苛立ち始め、
段々バカらしくなってきた。
それでも大きな遅刻もなく来た。
忙しいお店ならボーイ一人がいないことで大変な状況になるのだろうけど、
相変わらずそれほど忙しくもないしょうちゃんのいるお店は、そんなこともないのだろう。
毎日しょうちゃんの顔を見るたびに不機嫌だった。
私は、家にいるよりも仕事に出ているほうが楽しかった。
毎月、決まった金額を貯金してかなり貯蓄はあった。
それは、しょうちゃんがお店を出すときのために、
そして無理をして体を壊しがちな商売なのでいつ病気にかかっても
大丈夫なための貯蓄だった。
なのにこんなの意味がない!
何で私は好きな洋服も買うのを我慢してこんなことをしているのだろうか?
と疑問を感じるようになった。
や~めた!!!
しょうちゃんは仕事にやる気ないのに、私だけ必死に働かないといけない??
何のために生きているの?
しょうちゃんだけのために生きているわけではない!!
たまには好きなようにお金を使ってもいいよね!!
私は休みの日にデパート巡りをして、洋服を買うことにした。
しょうちゃんは私が何とかしてくれると思っているのかもしれないけど
価値があるものにしかお金を出さない。
出したくはない。
私は普通の25歳の女の子よりはお金を持っていたし、使っていたのかもしれないが、
何にでもお金を出すわけではなく、
形のあるものや自分を磨くためにならお金を出すけれど、
ギャンブルのためならば出す気はない。
でも、頭を下げて頼まれればきっと許してしまうことも自分でわかっている。
その甘さがしょうちゃんをダメにしている。
私は男を甘やかしダメにしてしまうのかもしれない。
私も相手を思うならば鬼にならない時がいつか来る。
私はしょうちゃんが何か問題を抱えたときに鬼になれるのだろうか。
しょうちゃんを思うならばどんなことがあっても鬼になりきらなければならない。
その自信は今の私にはない。
しかし、その時までに私は腰を据える強さを持つ努力をすべきだと思った。

