聴覚を研ぎ澄まして

問題文が読まれる間に、設問と回答を先に読んで準備をした。

だが、まだ英会話初心者のワタシにとって、毎日の勉強でだんだん慣れてきてはいたが、

そう簡単には聞き取る事はできなかった。

しかし、必死に耳にだけ神経を集中した。

盲目の人は、目が不自由な分、聴覚は研ぎ澄まされて普通は聞こえないような

音に敏感になる。

ワタシは、それくらいの意識でアナウンスに集中した。

そこに意識をしていると、集中し過ぎて、目も頭も疲れてくる。

こんなに疲れるのなら、普段どんなに意識なく物を見て、何気なく音を聞いて

いるのかがわかる。

それに、生まれ育った国の言葉は 物心ついた頃から話しているとは言え、

簡単に話しているのに、簡単な英語を話す事に四苦八苦するのだろうか。

中学に入ってから英語を習い始めて高校を卒業するまで6年間勉強するのに

会話どころか聞き取る事さえできない。

専門的な勉強をしようと思ったら、大学や専門学校で毎日習うのに、

ワタシが知る限り、英文科を卒業したのに英語を話せない人ばかりだ。

疑問に思いながら、受験英語しか勉強して来れなかった事を

悔やんでも仕方ないから、これから頑張ればいいんだと言い聞かせ、

「よし！」と気を取り直して、問題に取り組んだ。