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車を買うのにお金がかかったが、毎月10万円が出ることを考えれば、まだましだと思った。
それに休みの日にスーパーに買い物に行くのにも、大きな買い物をした時にも便利だ。
知り合いの中古車屋から、中古の軽自動車でワゴンを探してもらった。
わりとすぐに買うことが出来た。
しょうちゃんは出勤に車に乗って出かけ、私はいつもバスと電車で出勤した。
帰りはどんなに遅くなっても、一緒に車で帰った。
しょうちゃんが遅く仕事が終わった時は、私はヘトヘトで早く帰りたい気持ちを押さえて、
いつも相川社長と世間話をしながら事務所で待った。
私が遅い時は、しょうちゃんはきっとマンガでも読みながら
お店で待ってくれたことだろう。
この頃は、私は本当に疲れていて、毎日掃除と洗濯はしていたけど、
食事を作る元気もなくて、いつも家の近くのコンビニに寄って
夜食と朝ごはんを買って帰っていた。
それでも、カラダが無理な時はしょうちゃんに手伝ってもらうこともあった。
本当に私は疲れていた。
早めに起きてしょうちゃんを起こす。
早番の日は一緒に出かける。
遅番の日は、掃除や洗濯をして出かける。
帰りはお互いの仕事が終わるのを待って一緒に帰る。
それが私の生活パターンになった。
しばらくはそうやっていたけれど、しょうちゃんを起こしてもギリギリまで寝ていて、
家を出るのもギリギリの毎日。
遅刻しそうになっても焦ることもなく、
のんびりしていることに段々と腹が立つようになった。
私はどんなことがあっても遅刻しないように起きるけれど、
しょうちゃんは寝坊ばかりなのは変わらない。
ただでさえ遅刻するのに、こんな通勤時間のかかる場所に住むなんて無理だと思っていた。
予想がつくことだった。
でも、しょうちゃんには予想できなかったことなのだろう。
いつもそうだ。
今しか見えてなくて、後のことはどうなるかなんて考えもしない。
マンションに限らず、ギャンブルのことにしても同じだ。
今が楽しければそれで良くて、その後の始末は自分では出来ない。
周りの迷惑などお構いなしだ。
行きはバスや車も多くて渋滞するからかなり時間がかかってしまう。
おかげで出勤初日は遅刻をしてしまった。
タクシー代も往復五千円はかかってしまう。
いくら家賃が安いといったって、タクシー代がこんなにかかるなら
繁華街近くのちょっと高いマンションに住んだほうがよっぽど安くつく。
私は早起きしてバスと電車で行くことにした。
しょうちゃんは出勤もタクシーだ。
この人には一日最低五千円の交通費が出ていることが
どれだけ痛い出費かわかっているのだろうか?
最低でも1ヶ月十万円の交通費がかかってしまう。
バカらしい!!
何で後先が考えられないのかわからない。
本当はこの人はバカなんじゃないかと思うことがある。
普通に考えれば、お店から遠くに住めば交通費もかかるし
、朝も早く起きなければ出勤時間に間に合わない。
それに前の日に仕事が忙しければそれだけ帰るのだって遅くなるから、
次の日が辛いし、そんな日が続けば毎日が寝不足で体力が持たない。
ましてやしょうちゃんは、ギリギリまで寝ていて起きない。
こんなのでは、家庭がうまくいくはずなんてない。
いつか寝不足でイライラしてケンカになるだろう。
どうやって私の収入なしで生活していくというのだろうか?
きっとストレスが溜まったと言ってはギャンブルをし、
借金を作ってくることは目に見えていることだ。
もし本当に家庭を作りたいと思っていても、
現実はそう簡単ではない。
理想と現実は違う(+_+)
今までできなかったことがこの人に今更できるはずもない!!
もしかしたら、子供が欲しいと思っていたりするのかもしれないが、
こんな状態で私は安心して子供を産むことなんてできない!!
きっと子供ができても、家にお金がなくても
この人はずっと変わらずにいるだろうし、
誰かに頼れば何とかしてくれるなんて甘い考えを持っているだろう。
それなら、仕事を辞めた後の環境のことなんか考えて
こんな場所に住んでいる場合ではない!!
それに私はこの人とずっと一緒にいるかどうかもわからない。
よっぽどひとりでいた方がましだ。
それでも、少しは私の事を思って決めたマンション。
不満はいっぱいあるけれど、とりあえずはここに住むしかない
と諦めた。
いくらキレイなマンションでも、周りに銀行があるわけでも病院があるわけでもないし、
スーパーだって自動車で行くには遠過ぎた。
通勤だってタクシー代がいったいいくらかかるのだろうか?
何を思ってここに決めたのかわからない。
ふたりの仕事の事を考えれば、あんな場所では負担が大き過ぎる。
一体私にどうしてほしいというのだろうか?
いつかこの仕事も辞める時が来るだろうが、
今そんなことを求めているのならムリな話だ。
私がこの人を選んだのだから!
いやだと言っても結局はしょうちゃんの思い通りにさせてきてしまった。
もっとダメなものはダメだと言えばよかった。
私が何だかんだ言って、しょうちゃんを甘やかしてしまった。
彼を甘やかした周りの人をとやかく言えない。
でも、ダメと言えば私に隠れて良からぬことをするだろうし、
言う通りにすれば更に甘えて彼をダメにする。
一体私はどうすれば良かったのだろうか?
それでも、私も28歳になり、しょうちゃんも少しは落ち着いた家庭を
作ろうと思っていたのかもしれない。
広島で住むマンションはしょうちゃんに全てを任せた。
次の朝マンションに荷物を入れる。
どんな所なのか連れて行ってもらった。
タクシーに乗ってどこまで行くのか繁華街からかなり遠くに来た。
そして、バスのすれ違いも困難なほど細い道を通り、
周りには家やマンションはあるけれど、段々山の方へ向かって行った。
どこまでこの山を入って行くのかと不安になり、とうとう言ってしまった。
「いつになったら着くの?
こんな田舎に何で住まなきゃいけないの?
行き帰りはどうするのよ!」
と私はしょうちゃんに不満をぶつけてしまった。
私は家出状態で勝手に籍を移してしまっていた。
両親は捜索願を出していた。
きっと居所がわかってしまうとは思ったけど、運転免許証の更新に行った。
そこで私は別室に呼ばれて
「家に電話して下さい」
と言われた。
しかし、しょうちゃんは
「しなくていいよ」
と私に言った。
本当は両親に電話してあげたかったけど、しょうちゃんの言う通りにした。
次の日のお昼頃、母は電話をかけてきた。
「夜の仕事してるの?」
と母は言った。
私は
「うん」
と言った。
その後の沈黙がどれだけ母がショックだったか私にはわかった。
母は
「電話、代わって!」
と言ったので、私はしょうちゃんに電話を代わって隣で聞いていた。
何を話したのかはわからないけど、
母がしょうちゃんに何を言ったのかは何となくわかる。
でも、母の娘を思う気持ちなど無視してしょうちゃんは
「関係ない」
と言った。
ショックだった。
私は関係なくなんかないと思ったし、
私の親は大事にしてもらえないとその時感じた。
自分の母親が入院した時は仕事も早退して、
お金も結局30万円も必要だったのかもどうかもわからないままだけど、
きっと私の両親に何かあっても知らない顔をされるのだろう、と私は思った。
私は大事にされてないのだと知った。
どんな言い訳をしようと私はしょうちゃんを根底では
信じることが出来なくなった決定的な瞬間だった。
広島に引っ越す前日まで私は仕事をした。
しょうちゃんの都合でせっかく時間をかけて 築き上げたものを失ってしまう。
神戸に帰って来て二年経って、やっと慣れて、 仕事も順調にいっていたのに、
お客さまにもお店の人にも突然別れを 告げなければならない。
ちゃんとお礼も言えないまま辞めてしまうことは、 申し訳なさでいっぱいだった。
そんな私の思いなど知らず、 しょうちゃんは我が儘ばかり。
自分の事しか考えていない。
周りのことなんて何一つ考えていない。
きっと仕事でも同僚を気遣ってあげることもなく、
上司にだけはペコペコして偉そうにしていたことだろう。
そして、私や周りの人、私の親や兄弟だけでなく自分の親の事も考えていない。
考えたことなんてないのかもしれない。
お菓子を食べながらテレビやビデオを 見たりしていたようだ。
家にいるからといって、仕事から疲れて帰る私のために 食事を作ってくれるわけでもなく、
前と変わらず私が食事も作り、掃除をした。
暇で毎日ゴロゴロしているのなら、 何か家の事をやってくれればいいのに!
「働かざる者食うべからず」
とおばあちゃんに言われたものだったけど、
生きてるだけで何も考えず何もしないでいるなんて どういう気がしているんだろう。
なかなか長期の休みをもらうことなんてないけど、 私が毎日家でダラダラ過ごしてしまったら、
自分が嫌になると思う。
この人は単にのんびり屋なのかと思っていたけど、怠け者のような気がした。
会ったことはなくても、噂にもなるようなママがいた。
そのお店は高いけれども、コンパニオンの教育もしっかりしていて、
いつもお店は忙しいと聞いている。
コンパニオンだけではなくボーイにも厳しいのだ。
それだから、繁盛しているのだろう。
その厳しいママのお店にしょうちゃんは面接に行った。
しかし、最初から勤める気がないのはわかっていた。
面接の話を聞くと、ママの話は出たけど、
頑張ろうという気があれば何を言われても我慢できると思うのだけれど、
そんな素振りは見えなかった。
何軒か面接に行ったけど、ムダだった。
最初から行く気がないのだから当たり前である。
何日かして広島の社長から電話があった。
私が「広島に行かない」と言ったものだから、説得の電話を掛けてきたのだ。
きっと初めから広島行きの話はふたりの間で決まっていたことだったのかもしれない。
私がお店を辞める日までしょうちゃんは毎日フラフラしていた。
こんな宙に浮いたような生活をしているしょうちゃんは、
だらしなくすごくみっともないように思えた。
ヒモじゃない!!

