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一人でヒーリングサロンを広島に開店しました。開店までの奮闘記、波乱万丈の人生日記♪
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お盆に入って、お店もお盆休み。
私は実家で過ごすことにした。
一週間のお休み、のんびりして来よう!

実家に帰ると、父も母も忙しく働いて、
結局あまりみんなてゆっくりする間もなく、
私は家事の手伝いをして過ごした。
いつも仕事も家事もひとりでやって
母は大変だろうから少しくらいは
楽をさせてあげようと思った。
家にいるのは男ばかりで
手伝いもしないで 

『ご飯はまだか?』
『風呂湧いてる?』
『コーヒー作って!』 

等といつも言っているらしかった。

次の日、お昼ご飯を外で食べることになって、
この日は久しぶりに家族揃って出かけた。

何処に食べに行くんだろう?

と思いながら、走る車の中で機嫌のいい私がいた。

車を駐車場に止めて、
母とたわいもない事を話ながら
父の後を付いていく。

ホテルのレストランの中へ入った。
すると、何やら様子がおかしい。
状況が飲み込めない私は、
わからないままに男の人の前に座らされた。
30歳前後の男の人で、
見た感じも真面目そうだ。
しばらくは理解できなかったが、気付いてしまった!

ヤバイ、ハメられた!
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毎週日曜日になると、しょうちゃんと私は会うようになった。
そして、私たちは自然の流れで深い関係になっていった。

人の肌のぬくもりが
こんなにも心地よくて
安らぎを感じる事に
不思議に思う。

出張で神戸に来られたお客さまが
「ホテルで一人でいると人恋しい」
と言われていたが、やっとその意味がわかった!
知らない土地に来て
独りでいることに淋しさを
感じているだけなのだろうと思っていたけど、
彼らは人肌恋しくて、
誰かそばにいて欲しかったのだ。
人の肌がどれだけ安心させることだろう。

体の繋がりを感じるだけでなく、
心の支えになってくれていると気付く。
日に日にしょうちゃんの存在が
大きくなっていく。
気が付くと、しょうちゃんは
当たり前に私の生活の一部になっていた。
お店に着くと、しょうちゃんには悪いけど、
昨日の事はとりあえず忘れて、
仕事の事だけお客さまの事だけを考えることにした。 

指名のお客さまには
私に何かあるとすぐバレてしまう。
きっと分かりやすい態度をしているのだろう。
必死に隠そうとすればするほど、
いつもの私ではなくなっていたのかもしれない。
けれど、そんな私を気遣って、
分からない振りをしてくれていた事だろう。

ラストのお客さまも帰って、
やっと終わった!
と体に入っていた力が抜けたせいか
急にどーっと疲れた。
目が覚めると、昨日泣いたせいで
瞼が重い感じがする。
 
鏡を覗くとやっぱりちょっと目が腫れている。
泣くんじゃなかった!と後悔する。
後悔しても始まらないのだけど、
何とかならないかと熱いタオルと冷たいタオルを
交互に当てて応急処置をしてみる。 

少しはましになったかな? 

お店の人には気付かれたくはない。
仕事に私的なことで
心配をかけたくないし、
そんな事を聞かれたくもない。
こんな顔でお店に出るなんて失格だよね。
感情のコントロールができなくてどうするの!
これから先、いろんなことがあるだろう。
喧嘩もするだろうし、
もしかしたらしょうちゃんが
浮気な~んてことだってあるかもしれない。
そのたびに、疲れた顔してお店に出るなんて
あり得ないことだ!

今日は行動で何とかするしかない!
気合い入れて行こう!!
『おやすみ』を言って、
エレベータで三階に上がって部屋に入る。
まだ、さっきのドキドキが治まらない。
ベッドに座ったまましばらくの間、放心状態оО

何で泣いちゃったの?と自分に問い掛けながら
しょうちゃんに悪い事をしちゃったなぁ
とちょっと自己嫌悪に陥る。

その時、ポケベルが鳴った。

[0843 41(おやすみ 昇一)]

嬉しくて、また涙が出る。
明日から仕事なのに目が腫れてしまうわ!
お風呂に入って気持ちを落ち着かせなくちゃ。

長い時間ぼ~っとしながらお風呂につかる。
ぼ~っとし過ぎていつの間にか
お湯がぬるくなっていた。
上がらなくちゃ!とお風呂から上がって来ても
いつの間にかいろいろ考えちゃう。

考えちゃうけど、明日から仕事!
頭の中を空っぽにして寝なくては・・・
『ゴメン!僕は沙也加ちゃんと離れたくない!』

って私を抱き寄せたまま
しょうちゃんは私に謝った。
私は驚いたのと
しょうちゃんの気持ちが
嬉しかったのとで、
自然と涙が出てきてしまった。
何で泣いているのか
自分でも分からなかった。
泣いているのに気付いたしょうちゃんは

『沙也加ちゃん、泣かないで!?』

って私の頭を撫でながら言ってる。
泣いてごめん!って言いたいのに
涙で言葉にならない。
言葉にならない分、
ぎゅっとしょうちゃんの背中を
私は抱き締めた。
すると、さっきより強く抱き締められてしまった!

どれくらいそうしていたのかはわからない。

『泣いちゃってゴメンね、もう大丈夫だから!』
発車のベルが鳴り始めた。ドアが閉まる瞬間、
しょうちゃんは電車に飛び乗ってしまった! 

『やっぱり家まで送ってく!』 

『危ないじゃない!』 

『ごめんなさい。 でも、まだ一緒に居たいよ!』 

かわい~い♪
やっぱりまだ22歳の男の子だね(*^_^*)
仕方ないなあ(οдО;)

ゆっくりマンションまで二人で歩く。
マンションの前に着いて 

『送ってくれてありがとう。』 

とお礼を言って中に入ろうとしたら
急に腕を引っ張られて
抱き締められてしまった。
心臓が止まりそうなくらいびっくりして、
どうしていいかわからない。
しょうちゃんの鼓動も
バクバク言ってるのが聞こえる。
夜も遅くなったので、
しょうちゃんに送ってもらうことにした。
私のマンションは三ノ宮から五つ目の駅だった。
しょうちゃんのお店の寮は
一つ手前の駅の新開地だった。
大開駅が近づくにつれて
淋しい気持ちが募ってくる。
 
新開地に着いて、ドアが閉まる瞬間まで
手を離すことができない。

『今日は楽しかった!またね(〇>_<)』 

と悲しくなる気持ちを押さえてさよならをした。 

さよならは別れ言葉ではなくて、
また明日会うための指切りだとは思っていたけど、
さよならがこんな悲しくさせるものだとは
知らなかった。
夜になって駅裏の小道を入ったところにある
串焼きのお店『串焼き雅』に行った。

串焼き屋さんなんて初めて・・・
狭いけれど、何だか温かい感じのするお店。
しょうちゃんのお気に入りのお店で
たまに来るらしかった。

カウンター越しに男の人3人がお客さんそれぞれに
次々に串を置いていく。
2人は出された串を
たわいもない話をしながら食べる。

段々お腹がいっぱいになってきた。
思ったより多くは食べれなかった。
かなり食べたように思っていたけど、
やっぱりあまり入らなかった!

1日しょうちゃんと一緒にいて
気を張らずに素の自分でいられる事が
居心地良かった!
映画が終わって喫茶店でお茶を飲む。 
しょうちゃんと私はケーキセットを頼んだ。
やっぱり甘いものが好きなのね。
でも、同じ嗜好の方が
お互い気を遣わなくていいのかも知れないと
思い始めていた。

面白かったねぇ~と映画の感想を
お互い色々話した。
しょうちゃんはエディ・マーフィーが本当に好きみたい。
私は映画自体は好きだけど、
誰が出てるとかにはあまり興味がなく、
気にして見に行った事がなかったから
不思議な感じがした。

映画を見に行くときは、
極力情報を入れないで見に行く。
わかっていたら面白くないもの! 
面白くないものを見て
失敗したな~と思うこともあるけど、
初めて見る映画は感動も大きい。

私と違う感性を持っている人と出かけると
意外な感覚に 驚くばかり。

これからずっとこの人の意外な発見をしていくのか・・・
とちょっと楽しくなった。
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